海とともに暮らしてきた”うみウララエリア”ならではの家庭料理である「すりみ」と「あげみ」。
もともとは、漁師たちがうみウララで主な漁法となる定置網漁・底引き網漁で水揚げした大物や状態の良い魚種は市場へと流れ、残った雑魚をムダにすることなく食材として家庭で利用されていたもの。「すりみ」と「あげみ」は、海の町の家庭料理なのだ。
各家庭でおでんの味が異なるように、使う原料種・部位・味・食感が異なっている。
「すりみ」と「あげみ」が商品として市場に出始めたのは約50年ほど前のこと。普段は当たり前のように食卓にならんでいた家庭料理ではあるが、「この地域に密着した新鮮で美味しい食をたくさんの人に届けるために」と、自然に商品として作られるようになり、店舗に並び始めた。
「すりみ」とは?
うみウララの「すりみ」の最大のポイントは朝どれの新鮮な魚を使用されることが大前提にある。主にこのエリアで多く水揚げされる魚種のエソ・シイラ・アジ・イワシが主原料になる。
手作業で内臓を除去し、丁寧に洗浄して臭みを取り除き、三枚におろす。
小骨ごと丁寧にすりつぶして味付けしたものが「すりみ」である。
食べ方いろいろ
ひと口大に丸めて、お吸い物や味噌汁の具に。
ゆでてすりみ団子にしたものを、大根やごぼう・人参などと煮物に。
エビやウインナーなどを包んで蒸して、ふわふわのすりみまんじゅうに。
細かく刻んだ野菜と混ぜて油で揚げた野菜天に。
「あげみ」とは?
すりみを約160°くらいの低温で、形を整えながらじっくりと火を通したもの。
原材料や味付けによって、ふっくらとした食感のもの・歯ざわりのあるもの・身の引き締まった噛みごたえのあるものなどに仕上がる。
各家庭・店舗によって、すりみに刻んだ野菜を混ぜて揚げた野菜天や、唐辛子入りのピリ辛天、ゆで玉子やチーズなどを包んで揚げたオリジナルなど、アイディアによってさまざまなあげみが楽しめる。
食べ方いろいろ
そのままスライスして、おかずやおつまみに。
野菜やイカ・タコなどと醤油ベースで煮こみ、海鮮煮物に。
スライスしたあげみと野菜を一緒に炒めものに。